京都の通りの歌「町名づくし,通り唄」について (2002/02/27)
京都は平安京の頃より碁盤の目のように東西南北に通りが配置されている.それ ら通りの名前は,「一条」「二条」などの数字を含むもの,「東大路」「西大路」などの方角を含む もの,「寺町」「両替町」のように実際の通りの様子をうまく表しているものな ど,非常に多岐にわたり,味のある名前も多い.昔,五条のバイトを往復してた時 に,縦 の通りを色々な語呂合わせで覚えようとしたことがあるが,あまりの多さに挫折 してもうた.ところが,これら通りの名前を覚えるための囃し歌(覚え唄?)が, 昔から京都に伝わっていることを,最近T先輩から教わった.なーんと,そんな 便利なものがあったのか.そう,あの京都銀行のラジオCM,「てらごこふやとみやなぎ さかい・・・」てやつっすわ.そういえばなんか通りの名前が歌詞にたくさん出 てくると思った.これは縦の通りだが,横の通りの覚え方もあるらしい.いや, むしろ横の通りの唄(通称,丸竹夷)の節は今も残っているらしいが,縦の通り の唄(通称,寺御幸)の節は廃れてしまっていたらしく歌詞だけが残っていたと いう.京都銀行のサイトによれば,ラジオで流れたのは寺御幸の歌詞に丸竹夷の 節をつけたものだそうだ.
”京都 通り 歌”
「丸竹夷」
横(東西)の通りで,北から南に向かって順に歌詞になっている.
丸竹夷二押御池 姉三六角蛸錦 四綾仏高松万五条 雪駄ちゃらちゃら魚の棚 六条三哲とおりすぎ(or 花屋正面北七条?) 七条こえれば八九条 十条東寺でとどめさす まる、たけ、えべす、に、おし、おいけ あね、さん、ろっかく、たこ、にしき し、あや、ぶっ、たか、まつ、まん、ごじょう せきだ(せった)、ちゃらちゃら、うおのたな ろくじょう、さんてつとおりすぎ ひっちょう、こえれば、はっ、くじょう じゅうじょう、とうじで、とどめさす 丸太町、竹屋町、夷川、二条、押小路、御池 姉小路、三条、六角、蛸薬師、錦小路 四条、綾小路、仏光寺、高辻、松原、万寿寺、五条 雪駄屋町(現在、楊梅)、鍵屋町(ちゃらちゃらは鍵の音らしい)、魚の棚 六条、 七条、八条、九条、 十条
丸竹夷の別バージョン(洛中横小路)
上の方が有名ですが,こっちのほうが古いかも
鞍や寺上立五つ今や元 武一中立長者三通り 出水下椹木 丸竹夷二押御池 姉三六角蛸錦 四条綾仏高辻や松万寿に 五条雪駄屋魚の棚 珠数二筋万年寺 七条越えて通り道なし 鞍馬口(くらや)、寺之内(てら)、上立売(かみだち)、 五辻(いつつ)、今出川(いまや)、元誓願寺(もと) 武者小路(む)、一条(いち)、中立売(なかだち)、 上長者町・中長者町・下長者町(ちょうじゃさんどおり)、 出水(でみず)、下立売(しも)、椹木町(さわらぎ) 丸太町(まる)、竹屋町(たけ)、夷川(えべす)、二条(に) 押小路(おし)、御池(おいけ ) 姉小路(あね)、三条(さん)、六角(ろっかく)、 蛸薬師(たこ)、錦小路(にしき) 四条(し)、綾小路(あや)、仏光寺(ぶっ)、高辻(たか)、 松原(まつ)、万寿寺(まんじゅに) 五条(ごじょう)、雪駄屋(せったや)、魚の棚(うおのたな) 上数珠屋・下数珠屋(じゅずにすじ)、万年寺(まんねんじ) 七条(ひちじょう)、こえてとおりみちなし
「寺御幸(洛中堅小路)」
縦(南北)の通りで,東から西に向かって順に歌詞になっている.
寺御幸麩屋富柳堺 高間東車屋町 烏両替室衣 新町釜座西小川 油醒ヶ井堀川の水 葭屋猪熊黒大宮 松日暮に智恵光院 浄福千本はては西陣 てら、ごこ、ふや、とみ、やなぎ、さかい たか、あい、ひがし、くるまやちょう からす、りょうがえ、むろ、ころも しんまち、かまんざ、にし、おがわ あぶら、さめがい、ほりかわのみず よしや、いのくま、くろ、おおみや まつ、ひぐらしに、ちえこういん じょうふく、せんぼん、はてはにしじん 寺町、御幸町、麩屋町、富小路、柳馬場、堺町 高倉、間之町、東洞院、車屋町 烏丸、両替町、室町、衣棚 新町、釜座、西洞院、小川 油小路、醒ヶ井、堀川 葭屋町、猪熊、黒門、大宮 松屋町、日暮、智恵光院 浄福寺、千本
ついでに「洛陽観音めぐり」の順歌
六角や誓願寺図子・下御霊・革堂過ぎて吉田・黒谷 長楽寺から壹二ヶ所、清水に五ヶ所、六波羅、さて愛宕寺 大仏や泉涌寺二ヶ所・今熊を伏見街道九条へぞ出る 東寺より松(松原)西東蛸薬師、出水・下立売二ヶ所・かい川 東向観音過ぎて天皇寺、清和院にて札ぞ納る。